« 野菜類への腸管出血性大腸菌の付着について(追記あり) | トップページ | お知らせ:バイク関係の記事は引っ越しました »

家庭菜園を楽しんでいる方へご注意

家庭菜園というものが流行しだしてもうずいぶん経つ。面積や利用者数などは把握していないが、どきどき目に付くので、今でも地道に行なわれているのだろう。

自分で野菜や花などを育て、収穫して飾ったり食べたりする、これは非常に楽しいことだろうと思う。それこそ収穫したての新鮮な野菜類は、それだけでスーパーの店頭に並んでいるものとは違うし、自分で育てたものであるという喜びがさらにその美味しさを増すことは間違いない。農作物を育て、収穫するということがどういうことなのかそれを知るためにも役立つだろう。趣味としても非常にいいものだとは思う。

しかし、である。家庭菜園はほぼすべてが利潤を追求してはいない。病気や虫の害にあって果実がだめになったり、そもそも植物が枯れてしまっても特に問題とはならない。せいぜいせっかくここまで大きくなっていたのに残念だなぁ、楽しみにしていたのになぁ、という程度のことだろう。なので、病害虫防除で農薬を使うなど面倒だし、なんとなく危ないイメージもあるし、また使い方もわからないし、でほぼ無農薬の場合が多いだろう。それでキレイなものが取れればうれしいし、とりあえず食べられたらいいということになるのだろうと思う。

だが、家庭菜園はゼロからのスタートでゼロで終わっても、そこでの収入を当てにしているわけではないので問題はない。細かいことを言えば、農地の借り上げ代とか種や肥料代などの投資があるわけだが、それは必ずしも収穫物として返ってこなくてもよく、菜園を管理したりした満足感への代金としてで十分なのである(もちろんそうでない場合もあるだろうが)。しかし農業を生業としている生産者はそうはいかない。農業を始めるに当たって、親から引き継いでいるならまだしも他産業からの転身などまったくの新規就農である場合は、借地代や農機具代、肥飼料費種苗費の負担などマイナスからのスタートである。マイナスからスタートして、なお利潤を上げなければならないわけだ。

ということを踏まえて、家庭菜園を楽しんでいる方にご注意申し上げたい。それは、あなたのところであなたの野菜や花に被害を及ぼした病気や害虫はその家庭菜園で増殖し、プロ生産者の農作物に被害を及ぼしている可能性があるということだ。特に、害虫は移動が早く、距離も長めである(種類によるが)。アザミウマやコナジラミ類など厄介なウイルス病を媒介する害虫もいる。これらは体長数ミリと目に付きにくく、増殖も早いので気が付けばあっという間に全体を蝕まれ、手遅れになってしまう。これがいっせいにプロ生産者の田畑へ飛び込んできたら、その被害は相当大きなものになるのである。

ただ、だからといってプロ並の完璧な病害虫防除を求めるというわけではない。あまりに費用や手間をかけすぎると趣味の域を超え、楽しんで作るという目的を失ってしまうだろう。そこで、出来る範囲でこのくらいは注意してもらいたいという項目をいくつか挙げてみたい。

1 近くにプロ生産者の畑がある場合、同じ(または近い種類の)品目はなるべく避ける。
2 被害を受けた植物はそのままにせず、焼却するかビニール袋などに入れて処分し、病害虫の拡散を防ぐ。
3 病害虫の発生源になることがあるため、雑草はなるべく生やさない。
4 様子がおかしければ、自己判断せず近くの農業改良普及センターやJAに相談する。家庭菜園であれ、相手にしないということはない。現場まで来てもらうというのは難しいが、必ず相談に乗ってくれる。

以上である。このほかにも農薬等を使わず病害虫を防ぐ工夫はあるが、個別に紹介していてはあまりに長くなるので割愛させていただく。しかし、それも含めて4で紹介した農業改良普及センターやJAに相談いただければ良い。美味しく食べるためにも病害虫は発生させないに越したことはない。出来る範囲で、工夫して上手に家庭菜園を楽しんでいただきたい。

ここでは結構厳しいことを言ったかもしれないが、「そうでなければならない」と言っているのではなく、偏屈親父の戯言ではあるが、こんなことにも留意する必要があるんだな、と思っていただければ幸いである。

|

« 野菜類への腸管出血性大腸菌の付着について(追記あり) | トップページ | お知らせ:バイク関係の記事は引っ越しました »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 家庭菜園を楽しんでいる方へご注意:

« 野菜類への腸管出血性大腸菌の付着について(追記あり) | トップページ | お知らせ:バイク関係の記事は引っ越しました »