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減農薬は農薬を戦略的に無駄なく使うことでも実現できる

今回は農薬を効率よく使う方法について述べてみたい。表題には少々刺激的な言葉を使ってみたが、要するに無駄なくポイントを押さえ、先手先手で防除を行えば結局は農薬の散布回数を減らすことができると言う当たり前の話である。

1 病害虫防除の基礎的作戦立案について
1)基本的位置づけ
まず、防除を目的別にわけて位置づけ、何のための防除なのかを考えて実行することである。
(1)基本(必須)防除
毎年必ず行う防除。時期が来ればほぼ発生するものが対象。
(2)臨機(確認)防除
気象条件など年によって発生量が変動し、また被害がなかったりするもの。
(3)重要防除
発生すると被害が大きく、重要な意味を持つ防除。
(4)非重要防除
被害を受けてもたいしたことはなく、重要性の低い防除。

この中で、基本←→臨機、重要←→非重要とが相互関係にあり、ア.基本×重要・・毎年発生し、被害も大きい、イ.基本×非重要・・毎年発生するが被害はそれほどでもない、ウ.臨機×重要・・毎年発生するわけではないが発生すれば被害が大きい、エ.臨機×非重要・・年によって発生に変動があり、被害もそれほどではない、のように4つのゾーンに分けて考える。

2 防除実施の基本
(1)毎年発生し、被害の大きい病害虫は基本・重要防除として発生の時期にあらかじめ防除を行うことを基本とし、遅くとも発生初期には防除する。
(2)年により発生に差はあっても、被害が大きい病害虫は発生を確認したらできるだけ早めに防除を行う。
(3)実際には、圃場(田畑)を丁寧に観察して、早めに状況をつかみ、体系的な防除を行い、その結果から防除体系の見直しを行う。地域により、病害虫の発生状況や薬剤の効果に微妙な差が出るからである。

3 農薬の特性について
1)殺菌剤について
(1)治療効果があり選択的
 ここぞというときに使用するとっておきと考える。発生してからの散布でも効果が期待できる。
(2)治療効果があり汎用的
 複数の病害が発生してからでも効果が期待できるが、(1)の薬剤ほど劇的効果は期待できない。
(3)予防効果があり選択的
 毎年発生する重要な病気について、発生時期などに定期的に使用する。
(4)予防効果があり汎用的
 様々な病気について、菌の密度を抑えることを目的に発生前から予防的に使用。耐性菌が出現する可能性は低い。

2)殺菌剤選択のポイント
生育初期は上記(4)の農薬を基本として、重要病害対象に(3)の農薬を組み入れる。病気の発生が増えてくる生育中期~後期に(1)または(2)の農薬で収穫までにしっかり抑える。
農薬に対する耐性菌(農薬が効かない、抵抗性のある菌)発達を避けるため同一系統の薬剤を連用・多用するのは避ける。違う名前の薬剤でも同一系統のことがあるので注意する(例:ベンレートとトップジンMなど)。

3)殺虫剤選択のポイント
毎年発生する重要害虫には定植・播種時に粒剤を施用する。その後は圃場を丁寧に観察し、対象となる害虫は何か、作物はどのくらい生育しているか(生育ステージ)、防除時期を正しく判断し、薬剤を選定した上で発生初期をとらえ、早めの防除を心がける。薬剤抵抗性の発達を避けるため、異なる系統の薬剤によるローテーション防除を心がける。

4)展着剤選択・使用のポイント
(1)農薬の財形によって選択
乳剤では少なく、水和剤・フロアブル剤では普通に使う。ただし、フロアブル剤は状況によっては少なくて良い場合もある(濡れの良い植物など)。
(2)作物によって選択
濡れの良い作物では少なく、濡れの悪い作物(水をはじくネギなど)では多く。
※濡れの悪い作物の例 水稲、麦、キャベツ、ネギ、サトイモ等
※中程度の濡れの作物 トマト、ナス、メロン、イチゴ、ブドウ等
※濡れの良い作物 キュウリ、インゲン、ミカン、リンゴ、モモ等
(3)農薬の溶かし方
1)少量の水に溶かしてから薄めていく。バケツ、ビニール袋などを使用する。
2)薬剤を溶かす順番は特に指定のない場合、展着剤→乳剤→フロアブル剤→水和剤
3)アルカリ性薬剤、銅剤は混用不可の場合がある。アルカリ性薬剤とは石灰イオウ合剤や石灰ボルドーなどのこと。銅剤は有機銅や無機銅のこと。キノンドー、コサイドボルドー、Zボルドーなどがあり、薬剤名が○○ドーとなっていることが多いが、成分をしっかり確認すること。ドーとついていないからといって銅が入っていないとは限らない。例:ヨネポン、ジーファイン水和剤など。

4 農薬散布のやり方
1)葉から30~40cmの距離でしっかり吹き付ける。
2)草丈の低い作物(イチゴ、パセリなど)は葉裏にもかかるよう下からしっかり吹き付ける。
3)天気予報には注意する。散布後の雨は効果を低減させる。できれば半日程度乾きつかせる。気温や風の有無などにもよるが、最低2時間~できれば4時間ほど乾きつかせる。
4)二度がけはしない(特に大面積の場合)。薬液が余った場合、最初に戻ってもう一度散布するとそこが乾き始めていた場合、2倍の濃度で散布したのと同じ事になる。このため、薬害や農薬残留の面で問題となることがある。

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