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2011年7月

昔やった遊びについて語ってみた2

さて、前回ビー玉遊びについて語ってからもう1ヶ月以上たってしまった。ようやく続きを書く気になったので、前回アナウンスしてあった2番以降について語ってみよう。でも、ビー玉以上に記憶が怪しいので、それぞれは短くなるかもしれない。

2 天大中小

2m四方ほどの正方形を地面に書き、ドッジボールをテニスのように打ち合う遊び。その正方形を4つのマス目に分け、それぞれ天、大、中、小の地位を割り当てる。自分のコートでワンバウンドしたボールは必ず誰か他のコートに返さなければならない。両手でも、片手でもかまわない。誰か他のコートにワンバウンドさせることができなければ失敗。地位を一つ下げる。もちろん地位は高い順に天>大>中>小。小の人はだれか順番待ちがいれば退いて交代。天の人は、失敗したらいきなり小に落ちる特別ルールもあったかもしれない。また、打ち込んできた人にそのまま返すのはダメだったように思う。ドッジボールのような大きなコートが確保できなかったときの休み時間の遊びだったのではないかと思う。

3 やねころ

壁当てとも言っていたと思う。5~6人で、テニスボールか何か使ってやっていた。それぞれに番号を割り振る場合と、そのまま名前を使う場合があったと思うが、そのどちらかで次にボールを受けとる人を指定し、屋根の上にボールを投げ上げる。名前を呼ばれた人はそのボールが地面に落ちる前に受け取らなければならない。
取れずに地面に落ちたら、その瞬間他の人間はちりぢりに逃げるのである。で、ボールを落とした人はできるだけ素早く拾い、逃げた人に投げて当てる。当てられた人は鬼とともに屋根の下の壁に重なって背中をこちらに向けて張り付いて、逃げ切った人たちからボールを当てられるという罰ゲームがあったように思う。で、鬼がまた屋根の上に誰かの名前を叫びながらボールを投げ上げ、これをずっと繰り返すと言うものだったと思うが、なんか罰ゲームとか逃げた人に当てるときにルールがあったような気もするが、全く思い出せない。

4 ねころん

このゲームがなぜねころんというのかは全くの謎。地面に幅2メートルほどの長方形を描き、長さは人数に応じて変える。↓はしごのような感じである。

Photo

この絵では、4人対4人で行う場合と考えて欲しい。まず、攻撃側がスタート地点に全員入る。次に守備側が守備位置に一人ずつ入る。守備側の一番スタート地点に近いところにいる人が「ねころん!」と叫んだらゲームスタートの合図である。攻撃側はコートから外に出ないよう、また守備にタッチされないよう次のマスへ進む。攻撃側の人間はタッチされたらアウトでコート外へ出なければならない。守備側の最初の1人は4人が相手なので全員をタッチして止めることは不可能である。ここで1人が守備者を右または左の端に引きつけておいて他の3人を次のマスへ抜けさせるのがセオリーだが、守備の方も引きつけられているふりをして他の攻撃者に実は注意を向けていたりする。ここが駆け引きである。折り返し地点まで進んだ者は今度は逆送してスタート地点まで戻る。ここで守備側は反対向きに神経を使わなければならない。ここもどちらを重視するかは駆け引きなのである。無事折り返してスタートまで帰ってきた人数が得点となり、今度は攻守交代してどちらの得点が多いか競うのである。

以上、前回予告しておいた昔の遊びについて語ってみた。どれも夢中になった覚えがある。もし、他にもなにかご記憶の方があれば、類似のエントリーをあげていただければ幸いである。あ、前回「べったん」という言葉も出したが、あれは関東で言うところの「メンコ」であるが、ルールがほとんど思い出せないのでまた次の機会としたい。


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緑肥作物と粘土鉱物等によるセシウムの除去は有効か?

3・11の大震災による原発事故以降、放射性セシウム137の土壌汚染が問題となっており、セシウムで汚染された稲わらを食べさせてしまった畜産農家から出荷された牛肉からもセシウムが検出され、これが基準値を超えたとして大きな話題となった。おそらく、その牛肉を食べてしまったからといって、少なくとも一度食べただけでは健康に影響はなく、まず心配は要らないと思う。しかし、基準値が定められている以上それを越えた生産物は出荷・流通させてはならない。このため、一刻も早い土壌の除染が求められている。もちろん、他にもたくさんの問題はあるが、ここでは農地の除染に絞って話を進めたい。

一番手っ取り早い方法は表土の除去である。セシウム137は原発事故によって空気中に拡散し、降下して地表面に落ちたため土壌においては表層に集積している。そこで、表土を削り取ってしまえば、その場所のセシウム137は除去することができる。しかし、この方法ではその削り取った表土をどこへ処分するかが問題となるし、農地においては土づくりがなされている作土層が除去される事になるので実用的にはいろいろ問題がある。この方法を適用するかどうかは処理方法も含めて様々な要因を検討する必要があるが、それについてはここの趣旨から外れるので割愛させていただく。

さて、そういった中で、北海道大学農学研究院植物栄養学研究室の渡部助教授が植物によるセシウムとストロンチウムの集積に関する研究報告がなされるなど植物に吸収させて除去しようという方法(ファイトレメディエーション)が報告され始めると、まだ報告が始まった段階なのにすぐそれに飛びつき、「ヒマワリで放射性物質を除去しよう!」などと呼びかける怪しい人物や団体が現れ始める。また、粘土鉱物などにセシウムが吸着されやすいとなると、吸着力の強いゼオライトを農地に散布しようとか体内被曝に対して粘土によるデトックスが有効であるとか訳のわからない話も湧いてくる。
それでは、ここでの話らしく植物によるセシウム吸収の有効性と粘土鉱物等によるセシウム吸着の有効性について論じてみたい。

まず、ヒマワリなど緑肥作物によるセシウム吸収についてであるが、よく見かける物言いは次のようなものである。「セシウムは植物の必須元素であるカリウムとよく似ているため植物が勘違いして吸収します。これによって土壌中のセシウムを植物に吸い上げ、土壌の除染を行います」といったものだ。しかし、普通に栽培されている数ある植物の中で、確かにヒマワリはセシウムの吸収効率がいい方ではあるようだが、実際の吸収量はどのくらいになるのだろうか。実は、「わからない」としか言いようがない。栽培の前後で収穫物のセシウム含量を調べれば吸収量がわかるかもしれないが、土壌中及び植物体中の養分の動きは複雑で、それがそのまま土壌中のセシウム含量を減らしているかどうかはわからないのである。実際に汚染されている地域の土壌条件にもよるし、施肥体系によっても変わる。また、カリウムはセシウムとの間で吸収に拮抗作用があり、カリウムの施用量が多ければセシウムの吸収量が下がると言われている。
仮に、植物によるセシウム137の吸収がうまく行き、土壌中のセシウム137が減少したとしても放射性物質を含んだ植物体の処理方法が確立していない現時点ではこの方法は進めるべきではないだろう。焼却などに際してうまく封じ込める方法があって、それは東電の原発敷地内で引き取ってもらえばいいという話もあり、もっともだとは思うものの、それが社会的コンセンサスを得られ、その流れが確立していない中ではとりあえず実施に向けて走り出すと言うのはあまりにも危ないと言わざるを得ないだろう。吸収したはいいが、残渣の引き取り手がない状況では放射性物質を濃縮あるいは拡散しただけになりかねない。
ちなみに、私は自分でも農業試験場に勤務していた頃、陰イオンではあるがリン酸蓄積土壌のリン酸吸収による除去試験を行ったことがある。植物体の吸収量と土壌中の残留量、施肥量が計算と合わず、随分苦労した記憶がある。ヒマワリ、ソルゴーなどで試験したが、ヒマワリは効率はいいもののソルゴーのほうがバイオマス量が多く、結局それほど変わらなかった。

さて、粘土鉱物やゼオライトなど陽イオン交換容量(吸着力)の強い鉱物粒子を利用してセシウム137を除去すると言うのはどうだろうか。ほとんどの方は気づいておられると思うが、これらを土壌に散布しただけではセシウム137の除去にはならない。セシウムはイオンになれば陽イオンとしてプラスに荷電しているので、マイナスに荷電しているこれらの土壌粒子に吸着されやすい。しかし、その場からなくなるわけではないので、まったく除去にはならない。土壌に混和し、しばらく吸着させた後、それらの粘土鉱物などだけを取り出せればいいが、そんなことは不可能である。セシウム137が溶け込んだ地下水などを浄化するのなら可能性もある(懸濁状態にした後沈殿除去)が、それとてどのくらいの除去効率があるのかはこれからの研究課題だろう。
また、それら吸着効率の良い粘土鉱物などを使って放射性物質を体から取り除く「デトックス」などの話も上がっているが、これに関しては論外である。体内に含まれるセシウム137だけを離れたところから引き寄せて体外まで吸着するとは到底思えないし、もしそういう作用があるならカリウムやナトリウム、マグネシウム、カルシウムまで吸着され、排出されてしまう事になる。つまり、粘土鉱物によるデトックスを行った場合は、それらのミネラルを後で補給しなければならない。可能性があるとしたら汗とともにそれらの物質が体外に出て行き、そこで吸着されるというパターンだが、それなら出た汗をシャワーででも流せばいいという事になる。粘土鉱物を使えば、体外に排出されたセシウム137が環境中に出て行くのを防ぎ、集中管理しやすくなるというメリットならありそうであるが。

ともかく、放射性物質の除染はまだまだこれからの技術だと思う。あわてて飛びつくことなく、冷静に判断して欲しい。

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塩害対策その2(短め)

以前、一度塩害対策のエントリーを書いた。そのときは、以前に自分が高潮対策で作成した資料を基に一般向けに解説したものとした。今回は少し踏み込んで、除塩対策となる植物について考察してみたい。

さて、農地も大きな被害を受けた宮城県仙台市及び名取市で、綿花の作付けによる除塩の試みが始まっている。農地の回復と、普通に元の作物を作付けできるようになるまで少しでも現金収入を上げられるようにしたいと言う取組である。綿花は非常に塩分に強く、土壌に対して0.4~0.5%の濃度でも育つと言われている。
また、塩害を受けたほ場で高糖度トマトを作ろうと言う動きもある。高糖度トマトは根域制限や生育を見ながらの少量潅水、やや高濃度の養液栽培などで栽培されるが、水分ストレスを与える目的では薄い塩水(希釈した海水)を使うやり方もある。これを逆手にとって塩分を含む土壌でトマトを作り、「塩トマト」として付加価値まで付けようと言うアイディアである。

他にも千葉県では海水を散布してネギの食味を向上させるという取組も行われている。こうして海水を散布して栽培されたネギは、ミネラル含量が多く、甘みもあって食味がいいといわれている。

砂糖の原料になる甜菜もナトリウムの吸収量が多く、ナトリウムの施用が生育を促進すると言われるため、塩害農地のナトリウム除去に役立つかもしれない。作付け品目を変えるというのは栽培技術もさることながら流通や気候など複雑な問題が絡んでくるので「そんないいものがあるんだったらそちらに変えましょう」という風に簡単には行かないが、農地の回復を待ちながら栽培でき、少しでも換金できるものについては、行政やJAも積極的に支援すべきだろう。

以上のように、塩害土壌を逆手に取れる品目はいくつか存在する。ただし、それぞれに塩類濃度の適応範囲が違うため、それぞれの土壌調査は必須である。それと、先ほども述べたように気候や塩類以外の土質に対する適応性も考慮する必要がある。こういうアイディアがあるからとすぐどうこうできるものではないが、少しでも被災農地の助けになればと思っている。

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