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2009年7月

JIN -仁- ドラマ化

集英社の漫画誌「スーパージャンプ」に連載されている「JIN-仁-」(作画:村上もとか)がドラマ化されるという。

この漫画は、南方仁という現代の医師が、幕末の江戸にタイムスリップし、現代医療の知識を使って病人やけが人を治療することで、歴史上よく知られている様々な事件に巻き込まれていくというストーリーだ。

幕末の江戸とあって、登場人物も勝海舟、坂本龍馬、緒方洪庵など非常に派手だ。

それらの人物と絡み、現代医療を駆使してはいるが、現時点では歴史を大きく変えるようなストーリー展開にはなっていない。だが、(少なくとも素人目には)正確なな医療知識と緻密な取材がバックに見え、それをきちんとストーリーに絡めてメリハリのきいた展開を作り、私には非常に楽しめる作品になっている。

私の連れ合いもこの漫画を読んでいるのだが、連れ合いによるとドラマ化するのがTBSだと聞いて少々不安に感じているようだ。どうも、TBSには彼女にとって面白いドラマがなく、TBSはドラマが苦手なテレビ局だという認識らしい。

また、配役も主人公の仁を大沢たかおだと聞くに及んで、少々地味な配役だと思ったようで、「うーん」とうなってしまった。

私はドラマはほとんど見ないからTBSがどうこうは言えないし、大沢たかおがどんな役者かも知らないので何とも感想の言いようがないが、非常にお気に入りの漫画のドラマ化だけに楽しみにしてるのだ。

そのあたり、ドラマに詳しい人が誰か解説してくれないかなぁ・・・。独り言です>誰となく(笑)。

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任せて良いのか?民主党!

民主党をはじめとする野党が参議院で食品安全委員会の委員に東大の吉川教授が就任するとした案に不同意した、という話は以前のエントリーで取り上げた。

これに関し、時々当ブログにコメントを寄せてくれるtahata氏のブログでこういう記事を見つけた。当ブログでは完全に後追い記事になるので、詳細はtahata氏のブログをご覧頂きたいが、簡単に経緯を説明すると次のようになる。

吉川教授の食品安全委員会委員就任を否決した事に関し、当ブログでも取り上げたように各方面で批判が相次いでいるが、これに対して民主党のウェブサイトで中西準子氏の「雑感」というサイトの記事を参考にして吉川教授の科学的姿勢に疑問を持ったので不同意とした、と書いてある。そして、その日付が6月2日となっている。参議院の議員運営委員会および本会議で取り上げられたのが6月5日であるから、その前にこういう意見を表明していたことになる。それなら、民主党の姿勢には問題がないということになるが、実はこの記事、6月2日の日付でありながら、7月に入ってから掲載されたものであるようだ。

これが間違いないとすると、いや、状況からして間違いなさそうであるが、だとしたら民主党は信用に足る政党であるとはとうてい言えないと思うがどうだろうか。

※当エントリーはtahata氏のブログを参照していますが、文責はブログ主の「がん」にあります。これをご覧になった方はくれぐれも当ブログの内容のみを持ってtahata氏を批判することがないようにお願いします。当ブログの記事に対する批判は、「がん」にお願いします。

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官僚が科学情報を発信すること

これもちょっと前の話だが、松永和紀さんがご自身のブログにサイエンスライターの収入について、同じサイエンスライターの北村雄一さんの講演をきっかけに考えたことを書いておられる。

これを読んでいると、本当にサイエンスライターって食えない職業だな、と思う。妄想を書き連ねて文章をでっち上げればいい(こういう何もないところから物語を生み出す作業も相当大変だし、架空世界の話であっても実際には資料なしで書くのはかなり難しい作業なのだが)ファンタジーなどと違い、情報の正確さを期さねばならない科学読み物は資料集めや取材など相当綿密にやらないと中身の信頼性を失う。
実際に文章を書くより、そういう作業に費やされる時間や費用を考えると出版した本が少々売れたとて所得増にはつながらない。よほど売れっ子になって、出版社などがある程度費用を負担してくれたり、取材先が便宜を図ってくれるようになったりしない限り、苦しい状況から脱することはできないのだろう。

昔、私も文筆業を志したことがあって、いや、志したというにはあまりに文筆業をなめた態度であったし、本気度も低かったのだがそのときに友人の作家や私などよりはよほどその方面の実態に詳しいそのほかの友人などから作家なども収入や仕事の厳しさは公務員とは比べ物にならないと聞かされ、ある程度わかったつもりでいたが、ルポライターそれも科学系となればこれほど厳しいものかとうならざるを得なかった。

そこで、松永さんは北村さんの「国家官僚がサイエンスライターをすればいいじゃないか」という言葉を引用されているが、これについては、持った湯飲みをばったと落とし、小膝たたいてにっこり笑い、その手があったかと目から鱗が落ちる思いだった。

国家官僚に限らず、技術系の公務員なら公費で集めた資料が自由に使えるし、ネット上のデータベースにもアクセスできる。取材旅行は難しいが、収入の心配もないのでそれでも恵まれた環境であるといえるだろう。さらに国家官僚なら偏差値の高い大学を出ている「優秀な」人が多いし、後は文章力さえあればサイエンスライターとしての資質には問題がないだろう。ただ、国家官僚には世間知らずな人が多そうなイメージがあるのでそのとおりだとするとそれは「公平な目で見られる」というメリットでもあり、「世間の感覚とずれている」というデメリットにもなろう。

こういった原稿を書くことを世間に正しい知識を広めるための官僚としての仕事で行い、原稿料も印税も公費に入れるとなれば時間中にやっても問題ないだろうし、個人として書くなら私的な時間に書けばよい。ただし、資料を使うのは本来の仕事に限らねばならないので、内容についてはかなり限られたものになると思うが。

しかし、自省も込めて言うのだが、官僚が企画する事業などはたいてい面白くないので、内容は正確でも面白くない本になりがちだと予想されるのが心配な点である。実現も具体的な提案もしていない時点でこんなことを心配しても始まらないのだが。しかし、発想自体は面白いと思うので、興味のある国家官僚の皆さんはここから松永さんや北村さんのサイトへ飛んで、本気で考えてくれませんかね。

本当に優秀な方は、とっくにそれらのサイトは読んでいるんでしょうけど・・・。

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食品安全委員会の委員を否決した野党議員のレベルの低さ

この記事はいつも情報が遅くて申し訳ないが、先ごろ参議院の本会議で、食品安全委員会の委員承認について、一人が否決された。この否決された委員というのが東大大学院教授で、プリオン専門調査会で座長を務めていた吉川泰弘氏である。参議院では与野党が逆転しているので、この否決については野党4党によるものだ。

この話をはじめに聞いたときは、中身をよく検討しなかったため私は、この人は東大教授でありながら科学的評価をしっかりしていないような姿勢を見せたのかな?と漠然と考えていたが、いろいろな記事をネット等で見るにつけ、これは大変なことだな、と思うようになった。いつもながら、自分の世の中を漠然としか見ていない姿勢に少々嫌気がさしているが、少しでもそれを取り返せるよう今後努力するしかない。

とまぁ、自分のことはとりあえず脇にどけておいて、話を進めたい。

この参議院本会議で野党4党が吉川氏の委員就任を否決した理由が、新聞記事によればプリオン専門調査会で米国の牛肉輸入再開に事実上道を開いた、というものである。また、それに付随する根拠として、中西準子・独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門長がプリオン専門調査会を批判したことをあげているらしい。確かに、中西氏は以前ご自身のサイトでプリオン専門委員会を批判されていたが、中西先生はプリオン専門委員会が米国産牛肉のリスクが少ないとの報告をしたことを批判しているのではなく、リスクが少ないと報告して差し支えない検討内容であったのに、「米国がきちんとやればリスクは少ない」と責任を米国に投げかけてしまい、自らの判断を放棄してしまったかのような姿勢を批判したのである。
それに、プリオン専門委員会は牛肉の輸入再開を決定する機関ではない。データを集め、客観的にリスクがどのくらいであるかを調査して決定機関である農水省や厚労相に報告するのが仕事である。輸入再開は、そのリスクの大小と政策上の様々な要因を比較検討して政府機関が決定するものだ。少なくとも、決定の責任が専門委員会にあるわけではない。ましてや、座長である吉川氏一人の責任で輸入再開が決定されるわけでもない。このことは、日本学術会議会長の金沢一郎氏談話のとおりだと思う。

もし、新聞報道がそのまま事実であれば、野党4党はそのあたりの事実認識を決定的に間違っているといわざるを得ない。もしくは、意図的に曲解していると思われても仕方がない。公式に、新聞記事になる発言なのに、どうせ国民は記事の内容まで読むことはないだろうと高を括っているのだろうか?だとしたら、あまりにも国民をなめているとしか言いようがない。とはいいながら、なめられてもしょうがないような態度をとっていたのも自分なのだが・・・。

とにかく、野党4党、特に民主党は大向こう受けを狙ってこういう態度をとったのであろうが、科学的判断を人気取りによって捻じ曲げる態度は政権を狙う立場の政党としてはあまりにお粗末である。表面的な雰囲気だけで説明責任を果たそうとせず、自分たちもよく理解できていないままに(としか思えない)こういう重要な人事を決定するのはどう考えても間違っていると思う。もちろん、吉川氏が食品安全委員会にふさわしい人物かどうか、自分に判断する材料はないので、結果自体が間違っているかどうかはわからない。だが、その過程における理由付けはまったく理由になっていないのである。

自分は、少々現政権に嫌気がさしており、とりあえず政権交代は果たしてもらいたいと思っているが、これでは積極的にそれを支持することはできない。もちろん、選挙対策にわけのわからない金の使い方をする自民党にお灸はすえなければならないが、政権交代してもやっぱり何も変わらなかったね、とならないようここでしっかりと気を引き締めなおしていただきたいものである。

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